今の気候に合った衣替え

日中は暑い日が続いています。袷の時期になりましたが、暑くてとても着れません。

着物歴の長い方によると5年ほど前から衣替えのルールに寛容になってきている実感があるそうです。SNSでの写真を拝見していても、普段から着物を着ている方は、気温に合わせて柔軟に着物を選んでらっしゃいます。

 

「きものカンタービレ♪」というブログの記事に衣替えの歴史が紹介されていて、とても面白かったです。
最後の文章が励まされるものだったので引用させていただきます。

 

着物を着ることを諦めない / 衣更えの変遷|きもの カンタービレ♪

 

現在の着物の衣更えの習慣は、明治政府の定めた洋服の衣替えに倣ったもの。
6月1日~30日、9月1日~30日は単衣(裏地のないきもの、絽ちりめん、紗あわせ)
7月1日~8月31日は薄物(麻、絽、紗、透ける織物)
10月1日~5月31日は袷(裏地のついているきもの)

 

着物を着る人を増やしたいと考えるならば、150年も前につくられたものに倣ったものや、わかりやすいマニュアルよりも、今の気候にあった装いの提案をしてしかるべきかと。

アレコレいう人ほど、結局は着物を着ていないように思います。現実的に考えたら10月であろうと25℃以上で湿度も高い中、袷を着ていたら体力も持ちません。できるだけたくさんの方が、今の気候にあった装いをすることが何よりだと思います。

 

実際に着物を着て生活されている方の言葉は説得力があります!

「きものカンタービレ♪」のレポートは勉強になり、写真も綺麗なので愛読しております(*^^*)よかったら読んでみてください。

 

裏千家淡交会の会報誌でも、お家元が衣替えについて書かれていました。

衣替えの基本は「目安」であり、押し付けられるルールではない。ある程度の感覚の幅を持って切り替えて構わない。柔軟な心が、茶の湯の楽しみを生む…。

このような内容でした。

 

衣替えの目安を知り、出かける場所に合わせることは必要だと思います。ただ、日常で纏う衣服としては、古いルールにこだわらなくてもいいと思います。

 

利休居士が茶の湯の秘事について述べた中に「夏は涼しく、冬は温かく」という言葉があります。着物においても「暑い日は涼しく、寒い日は暖かく」を基本に、柔軟な心で楽しみたいです。